　　　我々カメラマンがこの世界で一体どういった存在なのか。各カメラマンそれぞれに
　　個人的な思惑もあろうが全体を見渡した時にその立ち位置は何処にあると言えるのか。
　　コスプレを写真に撮るという行為がいかなるものかはそれをまずハッキリとさせておく
　　必要があるだろう。
　　　そもそも撮った写真を作品として見せるという事自体がある種被写体に対する評論と
　　なる場合が多いのだがコスプレの世界でもおおよそそこから外れることはないだろう。
　　　原作という文脈があり、それに基づいてコスプレしてそれぞれの身体と原作への見解
　　が個性となる。我々カメラマンは被写体の身体含めた情報、ロケーション、そして原作を
　　トータルで見て最終的に仕上げる写真の設計を思い浮かべて画面構成やライティングを
　　決め、シャッターを切っていく。それは目の前にある被写体含めた光景、情景がいかなる
　　ものかを読み解く事であり、批評行為と言えるだろう。

　　　勿論それらはイベント会場なり撮影会なりでの多くの撮影の機会での話であり、ＲＯＭ
　　や写真集、写真展といったハッキリした「作者」が存在する場合は別である。例えばＲＯＭ
　　の場合は主催が作者となり、主催がコスプレイヤーであればカメラマンの撮影とは批評で
　　はなく作者の意図を具現化する技術者である。クリエイターとプレイヤーの２つの立場があ
　　るとすればカメラマンはこの場合プレイヤーとなるわけだ。主催がカメラマンであれば当然
　　作者はカメラマンであり、クリエイターの立場になる。
　　　世間一般に目を移した時、同じ写真を撮る人間でもカメラマンと写真家がおり、前者はプ
　　レイヤー、後者はクリエイターである。つまりこの世界でいうカメラマンとは批評家、技術
　　者、作家の３つの顔を持つに至り、そのどれかをその時々によって使うわけだ。そして多く
　　の場合が批評家の役割にあたる事になり、作品作りとなった時は技術者か作家のどちら
　　かになるはずだ。

　　　現実には自分に注目を集めたいだけのコスプレイヤーや金を掛けずに女が撮りたいだけ
　　のカメラマンなどが一部にいることもあり、これまで書いてきた内容にあてはまらない場合
　　が多々あるものの本来のコスプレを写真に撮る行為はこうしたものであると私は位置づけ
　　ている。
　　　コスプレの世界の拡大化が続く中、コスプレイヤーにとってのカメラマン、カメラマンにとっ
　　てのコスプレイヤーの立ち位置を確立させていかなければ全員がやりづらくなる一方だ。
　　また、各種媒体の普及によってコスプレと写真の関係性も多く問われることになるだろう。
　　我々は今一度自分達の足元をしっかりと見て行く末を考えなければいけない。コミケが先
　　導してくれた昔とは違い受動的なままでは最悪「業者の家畜化」を招きかねない。
　　　カメラマンはコスプレイヤーの希望通りの写真を撮ってくれるボランティアではないしコス
　　プレイヤーはモデルとイコールではない。それぞれの役割の見直しととアイデンティティの
　　確立のために考察を重ねよう。
　
　　　私は写真学校の学生だが講師である写真評論家に「コスプレは作品として成立しない」
　　と言われたことがある。それはこの世界を知らないから言えるのだと思うかも知れないが
　　彼はそれほど浅はかな人間ではない。プロである以上調べ上げたことに対してしか断言
　　はしない。しかし私はオリジナリティと創作性をそこに見出すことが出来れば可能性はある
　　と信じている。
　　　あなたはプレイヤーなのかクリエイターなのか。はたまた批評家なのか。一度考えてみ
　　て欲しい。そうすればコスプレ写真の見方も変わってくるはずだ。

　　　ところで萃香たんが可愛くて仕方ない。角とリボンとか幼女に鎖とかただの酔っ払いに
　　見せかけて実は頭がよかったり壊された博麗神社を土木作業は得意！と嬉しそうに直し
　　てたりノースリーブからのぞくワキとかもうたまらない。萃香たんとちゅっちゅしたいお!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　著　えいこう
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｐｈｏｔｏｍｏｄｅｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 sena
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　貞子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノブナガ

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